この不思議な表題の作品は,ルイス・パジェットのペンネームで発表したヘンリー・カットナーの1943年の作品であります。
何時,何処とも知れない未来の世界からタイムマシンにのせて送られてきたおもちゃ箱。
実験のため,手当たり次第に放り込まれたそのおもちゃが,1942年に到着する。
それを拾った7歳のスコットと,2歳のエマは,その奇妙なおもちゃに導かれ,特殊な思考様式を学んでいくのであるが…。
いかにも理想的ファミリーの姿が描かれているので,最初は,ユーモアものであろうと思っていたのだが,さにあらず。
このおもちゃは,現在とは,全く「次元」の違う未来人の子どものティーチング・マシンであったため,まだ,この世界の常識に染まっていないスコットとエマは,その「次元」の感覚を体得しはじめてしまう。
「その名は悪魔」でも同様だが,カットナーは,子どもというものが,独特の存在であることに,えらく不気味ささえ覚えているようだ。
幼児の思考過程は,おとなの想像を絶しているのである。…しかし,赤んぼうは人間ではない。胎児にいたっては,なおさらである。
かのように,新たな思考方法を身につけた兄妹は,あちら側の世界へと旅立ってしまうのでありますが,結構,酷なラストではあります。
奇妙な表題は,ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』からとったもの。
’Twas brillig,and the slithy toves
Did gyre and gimbel in The wabe
All mimsy were the borogoves,
And the mome raths outgrabe.
さっぱりわからん呪文のようなものですが,マザー・グースのように,何となく不気味なものがあるような。
ほのぼのムードの中に,ひんやりするような狂気すら感じる,ただものではない作品であります。
これを原作とした映画が公開されるようです(The Last Mimzy )が,さてどんなものなのでしょうか。
