If human is angry, then Robot is sad.
If human is rude, then Robot is embarrassed.
If human is happy, then Robot is happy.
主人公は、感染症の蔓延を予防するため、エリア内を巡回し、住人の健康チェックにいそしむドローン型のロボットです。役目がら、人とのコミュニケーションをとることが大切なため、ロボットの外形、表情や話し方も、人に親しまれるように設定されています。
いつものように、セントルイス市をくまなく巡るロボットは、ある日、市の保健当局のベイから、お役御免になったと言い渡されてしまいます。政府機構が潰れてしまって、当局も資金不足で機能不全になったようで、ジルは、ロボットに、これからは自由に活動し、何かあったら連絡するようにと伝えます。
ロボットは、思案しますが、公衆衛生を護る使命を果たすべく、健気な活動を続けます。
ひょんなことから、カラスとの言語コミュニケーションをも習得し、一羽の雌カラスと友情を結ぶまでになり、彼女からの情報により、「死ニカケ“Near-death”」の人間がいると不法居住者の住み着くビルに出向いたロボットは、危険な感染症の拡大の兆候を発見し、ベイに連絡するのですが。
羅列的な不思議なタイトルですが、素直に、この物語の内容を表しています。
ともあれ、この物語の一番の魅力は、ロボットと相棒のカラスがキャラ立ちしていることですね。
マーダーボットほどの強烈な個性はありませんが、このロボットのまじめさとキュートさには、思わず感情移入してしまいます。このロボットに下手に名前を付けないところが、ミソですね。
カラスも、ざわざわと騒がしく、皮肉屋で、罵倒好きという、いかにもという造形ではありますが、仲間うちのネットワークを駆使して、スマートでクールに、やることはやるという頼りがいもあって、いい味を出しています。
ベイはもちろん、ロボットと協力する不法居住者のジャレビ、そして、公共機関の崩壊後も、衛生業務を担っている公益ボランティア団体のスタッフなど、登場人物はみな「善人」で、力を合わせて、感染封じ込めに活躍します。
ロボットとカラス「3カッ」“3cry”の、さりげない友愛もほほえましく、それを温かく見守るジャレビのふるまいや3人?の会話もほろりと泣かせます。
“Here, hand me that beautiful feather.” Robot dropped 3cry’s feather into her hand. Dabbing a bit of adhesive on Robot’s back, she stuck the feather to its shell next to the place where its rotor pole emerged.
3cry was startled. “I like it,” she said. “That human is a fool.”
“Yes she is,” Robot agreed. “You are also a fool.”
“Yes I am.”
この作品が発表されたのは、2017年。ウィルスの変異による感染拡大の脅威を取り扱っているのは、直後のコロナパンデミックを予見していたかのようですね。
アメリカでは、所得格差の拡大によって、無保険者が医療サービスを受けられない、また、高額な医療費を払えず自己破産に陥ってしまう事態も珍しくもありません。さらに貧困層の増大が、感染症のアウトブレイクにつながっていることが危惧されていると聞きます。そうなると、富裕層といえど、我が身には及ばずと言っていられないことになるのは明らかです。
