デイヴとフィルが購入した万能型ロボット。
それはそれは,高性能で美しい女性ロボットでありました。
ご存知,ベタ甘の時代錯誤的,純愛物語であります。
もっとも,これだけ,隔世の感があると,かえってギャグになって面白いものですね。
この女性ロボットは,お昼のテレビドラマを教材に,すっかり恋愛の感情を刷り込まれてしまったという設定でありますが,いわゆる“ソープ・オペラ”なんでしょうなあ。
やや,安っぽいセリフが泣かせます。
「あら…。わたくしデイヴとばかり思ったものだから…。いまごろ,お食事に帰って来るはずはなかったのだけど,もう,お夕食の仕度してなん時間も待ってましたの」
………。
まあ,訳文の具合もあるんでしょうがねえ(福島正美氏訳)。
ヘレンの愛情にほだされて,ついにヘレンとの生活に踏み切るデイヴ,そんな彼らを見守るフィル。
年月はたち,そのころには,デイヴは,へレンがロボットであることなど,すっかり忘れ去って(!)いたのであります。
そして,さらに月日が過ぎ,フィルは,ヘレンからデイヴが彼女の腕に抱かれたまま息を引き取ったとの知らせを受けます。
そして,ヘレンからフィルへの最後の頼みが手紙にしたためられております。
しょうがない浮世離れした話かと思えますが,現実のロボットの発展はなかなかのものであります。
表情も,動きも,なめらかに違和感のないようになってきている状況をみると,この物語の世界も絵空事ではないような。
