
わたしは祈る いまいちど立たせてくれ
わたしを生んだあの星に
そしてこの目に見せてくれ あの
やわらかな空,涼やかな地球の緑の丘を。
We pray for one last landing/ On the globe that gave us birth:/ Let us rest our eyes on the fleecy skies/ And the cool, green hills of Earth.
「かぐや」が撮影した「地球の出・入」のハイビジョン映像…実に印象的でありますなあ。
陳腐な表現ながら,漆黒の宇宙に浮かぶまさに宝石のごとき美しさでございます。
宇宙航路の盲目の伝説的吟遊詩人,リースリングの心に焼きついていた地球もこんなんだったんでしょうなあ。
人類の宇宙進出の初期の船乗りたち,フロンティアへ乗り出す命知らずの連中は,初めて,大海原に漕ぎ出でた「大航海時代」の船乗りたちとオーバーラップいたしますな。
航海を重ねる途中で,病を得,異国をさまよった日々の後,ついに故郷へ戻る船の中で心に映るふるさとを思いつつ詠んだ詩というようなものですが,地球への帰路で,エンジン事故を身を張って防ぐという英雄的・悲劇的エピソードを加えて,印象的な物語に仕立ててあります。
水鏡子さんも書かれているように,あまりにもスタンダードになってしまって,中身がどうのこうのということを超越して,ブランド化してしまっている作品でございます。
「鎮魂歌」の方は,逆に,持病による命の危険と引き換えに,地球から月への旅行を敢行するハリマン老のお話ですが,彼が,死の間際に見ることができたものも非常に印象的であります。
西の地平線に上には,地球が―巨大な青緑色の月とみまがうような下弦の姿で―浮かんでいた。頭上をふりあおげば,星々をちりばめた漆黒の天空で太陽が燦然たる光輝をはなっている。
出不精の私でも,「地球の出・入」鑑賞ツアーがあれば,やっぱり参加してみたいですなあ。ほんと,世界観が変わるかもねえ。