心理学者チームが軍部間の緊張を調査したら,陸海空軍がそれぞれ反目しているせいで,総合的国防効率が低下していることが判明したので,反感を抑え友好的感情を育てるために,交接!システムが導入されたのである。
なんといっても,この冷戦の危機にあっては,国防こそ要であり,国防集団間の愛と調和が大切なのだ。
ソーニャ・ブリッグス最上級曹長,第十三管区養豚場の責任者(海兵隊所属)は,ロボット医師のハクスリーのカウンセリングを受けていた。
彼女は,空軍の相手と交接して,集団間の緊張を和らげるついでに子豚の給仕方法を探り出せという指令を受けて,気が進まないながら,「ワトソン」という発情ホルモンを服用して,交接にのぞんだが,ワトソンが全然効かず,あわや相手に告訴するとまで責められる始末。
何とかその場を収めたものの,その次の歩兵隊員との交接はワトソンを余分に盗んでまでの涙ぐましい努力の末にようようのことで事を終えたものの,今度はまた,空軍との交接の番ということで精神的に参ってしまっていたのだ。
なんとも,狂気の怖さと面白さが同居しているような話ですね。読者に,「何でここまでしなけりゃならないの」という感じにさせておいたうえで,ハクスリーが暴走を始める。
…あなたのせいじゃない。向こうが悪い。やつの心臓のど真ん中をぶち抜いてやりなさい。空軍ごときの下司野郎のために,あなたがつらい思いをする必要などないでしょう…
ここらへんのたたみかけるようなハクスリーのアドバイス?は,実に明快で爽快で,高揚感にあふれるものである。もちろん,その善し悪しは別ですが。
目が覚めたように晴れやかになったソーニャは,鼻歌を歌いながら部屋を出て行く。
ハクスリーの胸の中のショートは続く。彼は,次の娘を呼び入れたのである。
マーガレット・セント・クレアのかっこいいタイトルの作品。
季刊NW-SF誌に掲載されたきりの、名のみ高くてなかなか読めない作品だったが,瀬名 秀明/編著「ロボット・オペラ」に収録されたので,読めるようになった。感謝。
