今冬は,記録的暖冬ということで,おかげさまで,この早い時期に,スギ花粉様が大量に飛散しておられまして,鼻はグズグズ,目はショボショボ,クシャミ10連発という,極めて鬱陶しい状態となっております。
さて,わけわからない(個人的感想ですが)作品が並んでいる,ケリー・リンク女史の短篇集「スペシャリストの帽子」の一篇であります。
とりあえず,タイトルが奇妙で、何か意味深な感じがしますよね。
えらく,即物的なむきだしの表現が一体何事だろうという興味を引きますし,この,“たいてい”(Most of My Friends…)というところが,じゃあ,そうでない友人がおるのだろうかという,宙ぶらりんの気持ちにさせます。
フィリップ・K・ディックの『戦争が終り,世界の終りが始まった』の冒頭にそんな一行があるらしいんですが。
物語の筋は,…書けませんし,書いてもしょうがないというか。
脈絡のない文章が,やや歪んだユーモア感覚で,たゆたうとでもいいましょうか。
この手の作品は,波長が合う人とそうでない人とが別れてしまうんでしょうね。
特に,翻訳なので、原文の語感のリズム感とかいうものも体感できないでしょうから。
正直,各賞受賞した,「スペシャリストの帽子」も「ルイーズのゴースト」も,それほどにええなあとは思いませんでしたが,ほとんど似たような雰囲気ながらも,この作品は,何故か,すっと入りました。
ジャックという人物が,変人ながら,何となく愛すべきところがあること,主人公とその父親にそこはかとない哀愁が漂っているところが感じられるからかな。
ジャックをはじめ,水分が三分の二でなさそうな人が色々と出てまいります。
それにしても,とらえどころのない不思議な文章を書く人であります。
ジャンルも不明であります。
ちょっと,テリー・ビッスンのユーモア作品をシュールにしたような味わいもあります。
“まったくおかしな想像力”があるんでしょうね。
