もと,宇宙警備隊の凄腕艦長であったコーゴは,遭難の身を助けてくれたドリレンという種族の居住する惑星が,資源採掘のため破壊しつくされ,強制移転を拒んだドリレンたちが全滅するという事態に及んで,人類に対して,たった一人で反旗を翻すのであります。
彼を抹殺するがため組織されたのが三人の男たち。
銀河系百四十九の居住惑星の津々浦々のすべてをそらんじるウルトラ博識な男―サンドール・サンドール。
握手をしただけで,相手の人生のすべてを知りつくしてしまう恐るべき感知能力を有する男―ベネディック・ベネディクト。
数多くのお尋ね者を見事仕留めてきたプロ中のプロの殺し屋―リンクス・リンクス。
三人の男たちは,コーゴに特段の恨みはありません。
しかし,コーゴが“人類の敵”というお墨付きをもらった彼らは,容赦なく,コーゴを追い詰めていきます。
その姿は,彼らの持てる能力を出し切ることへの喜びさえ感じさせるものです。
「十二月の鍵」でもそうでしたが,ゼラズニイさんは,人類の勝手により,滅びさるべく運命付けられた種族に対する思いというものがあるようですね。
この作品,コードウェイナー・スミスのパスティーシュを試みた作品とか。
うーん,そうかと言われれば,「華麗さ」という部分では…。でも,一種の「異常さ」,不思議な「熱狂」,さらに漂う「気味悪さ」などでは,どうなのかなあ,私には,よくわかりませんでした。
いずれにしても,快調なテンポで,物語は進みます。
ドリレンの唯一の生き残りのマーラとの道行き,昔の部下との邂逅などのエピソードなど“泣き”で小味を利かせて厚みを出しています。
才気あふれるゼラズニイさんらしいのではありますが,少しお手軽で,やや勢いに任せている感じもして、“皮相的”という印象もあるんですよね。
神話の借り物というパターンでは,仕方がないところなんでしょうか。
それとも,私がわからないだけで,深読みを要求しているのかな。

