夜のオデッセイ~ジェイムズ・イングリス

 新潮文庫の「スターシップ:宇宙SFセレクション②」に収録されている作品。

 はるか昔,地球から送り出された恒星間探査機ASOV(エイソヴ)。

 広大な銀河を探索し,膨大なデータを蓄積し,今は受け取る人類すら絶え果てた地球に向け発信し続けていた。

 永劫の時が過ぎ,銀河が終焉を迎えようとしたとき,その中心へと向かっていたASOVは,銀河系のあらゆる知的種族から送り出された探査機の群と遭遇したのである。

 遥かなる空間と時間という宇宙の神秘に対する畏敬と,それをわずかでもひもとこうという知的好奇心,さらにそのような想いを持つのは人類だけではなかったという感動…

 まさにSF読みの心をくすぐる作品だと思います。

「ASOV」に、ヴォイジャーを被らせる人も多いのではないでしょうか。

 文章は、どちらかといえば、素朴、武骨ですが、かえって、「機械」の主人公にマッチしている効果があると感じます。

 個人的には、「太陽系最後の日」と並べてもよいと思うくらい、「叙事詩」であり「抒情詩」であると思っています。

 作者は,ジェイムズ・イングリスという人だが,この作品のみの一発屋だったようですね。