ジョン・スラディック作,60年代ニューウェーブの頃の,斬新というか,思いもよらない切り口の不気味な作品である。
77問もの項目が書き連ねてある申告書という,えらく奇抜な構成だ。
もともと人間ドックの問診票などは,かえって病気への不安感を高める皮肉な性質のものであるが,まさにそういった不安感を増幅させるような奇怪な質問が並べたてられている。
不安神経症などは,現代社会に暮らす者にとっては,誰しも該当しておかしくないものであるから,この「不安検出書」が不安を募らせる効果を発揮するのはよくわかる。
権威的で,高飛車なお役所書類的な型式も,不安を煽る効果を出している。ブラックな異端作品。
SFマガジン1982年5月号掲載。

