「サンドキングス」復刊を祝して,ジョージ・R・R・マーティンの別作品を。
食事をこよなく愛する肥満の男が,超現実的なダイエットをするというか,させられるお話。
同じような肥満の男が,急激に痩せた姿をみて,彼から,その処方をしたという裏町の気味の悪い店を強引に聞きだし,訪れた主人公。
その店の主は,うす白い肉のダブついた,笑うと顔の半分以上が口になるような,これまた,やな感じな男。
その主は,しり込みする主人公を奥の部屋に連れ入れると,何かががっしりと頭にしがみついてきたのである。どうあがいてもとれない。
何と,それは,お猿だったのである。こんなものを頭につけていたら,異様極まりないが,他の人には,全く見えないらしい。
主人公は,ため息をつきながら,町の食堂に入り,注文した食事を口に運ぼうとしたとたん,件の猿が,横合いから,目にも止まらぬすばやさで,食物をかすめとったのである。これぞ,強力なダイエット,モンキー・トリートメント。
ここから,主人公の悪夢が始まる訳だが,その悪戦苦闘ぶりは,気の毒ながらも噴飯もののおもしろさである。
主人公は,どんどん痩せていくが,体重計に乗れば,以前と変わらない表示である。つまり,お猿が,どんどんでかくなっているのである。
ホラー風味で,ストーリーテリングのうまさは抜群。内容的には,軽いものではあるが,これほど面白ければまあいいか。
1984年度ローカス賞ノヴェレット部門受賞作。「SFマガジン」1985年2月号掲載。
奇想コレクションにも掲載されました。

