ピーナツバター作戦~ロバート・F・ヤング③

 峡谷の農場に住む7歳になったばかりの少年ジェフリイ。

 彼の日課は,たっぷりとピーナツバターを塗ったサンドイッチをお昼のお弁当に,農場近くの森を流れる小川へと釣りにでかけること。

 ある日少年がお弁当を食べているところに,鳥のような人のような不思議なものが,少年に声をかけ,肩にとまります。

 少年は,彼らを“ミスター・ウイングズ”と“きらめきサリー”と名づけます。 
 ものほしげな彼らの様子に,気をきかした少年は,ピーナツバターサンドイッチを渡します。

 大喜びで受け取り,飛び去っていく彼ら。少年は,彼らと会うのが楽しみで,毎日,ピーナツバターサンドイッチをもって,森へと出かけます。

 両親には,森で妖精に出会ったといいますが,もちろんのこと,相手にしてもらえません。

 とりわけ,父親は,峡谷をおそった旱魃に苦悩が深く,余裕のない状態だったのであります。

 こんなときに,「お前は,ピーナッツバターのことしか頭にないのか!」と叱られた少年は,彼らにその旨を話します。

 これを聞いた“ミスター・ウイングズ”と“きらめきサリー”は,ピーナツバターに助けられたお礼のために一働きすることにするのですが。(もう,ラストは見え見えですね…)

 
 最近,青心社から復刊されたロバート・F・ヤングの短編集のタイトル・ストーリーで,とってもメルヘンチックな作品です。

 

 他愛のないご都合主義的なお話といってしまえばそれまでですが,やっぱりヤングらしく,ほっこりとするハートウォーミングな持ち味はうれしいです。

 子どもが喜びそうなストーリーです(子どもにすら,「甘い」,「不自然だ!」と指摘されるかもしれませんが)。

 解説にもあるように,ヤングには,宗教的な作品系も評価されているとのことで,この作品集にも「神の御子」という作品が掲載されています。

 確かに,力の入った作品だとは思うのですが,宗教的下地がない者にとっては,正直シンドイところもあります。

 やはり,心の琴線に触れるのは,叙情的作品になってしまうのかもしれません。
(年齢のせいで,簡単なストーリーにほっとするのかもしれません)

 ところで,巻頭の「星に願いを」という作品の訳者が“英保未来”という人ですが,これは,大森望氏の本名ですねえ。