冥王星外し、惑星数8に 国際天文学連合が新定義 (朝日新聞) - goo ニュース
いやいや,冥王星もついに降格の憂き目にあってしまいました。
冥王星の直径は,お月様の約2/3くらいしかなかったんですねえ。
セレスまで惑星に加えるという原案には,確かに違和感はありましたが,太陽系の最果ての惑星として,冥王星の存在感はそれなりのものがありましたので,ちょっと気の毒な気もいたします。
ということで,ジョン・ヴァーリイのこの作品は,冥王星を舞台にしたSF短編のなかでも,有名なものです。(C.C.マキャップという人の「完璧な装備という怪作もあります。)
彼の小説世界の「八世界」は,水星,金星,月,火星,タイタン,オペロン,トリトン,そして冥王星をさしています。
ちなみに,この世界は,異星人による地球侵略から逃れた人々の子孫たちが築いたものなのですが,やがて滅び行く運命にあるという,ややブルーな設定となっています。
さて,この作品での冥王星の地下には,絶海の孤島のイメージそのままのリゾートが建設されています。
主人公のピリという少年は,ここで,海賊遊びなど,気ままで幸せな生活を送っていたのですが,不思議な女性が彼の前に現れ,しばし行動をともにするうちに,ピリが何者なのか,そして,冥王星が直面する問題へと話は急展開していきます。
ぬくぬくとした胎内のような世界。
ここでピリは,俗世間のもろもろから逃れ,第二の幼年期を過ごしていたのですが,でかい落盤事故により,このリゾートは壊滅的な被害を受けます。
ここらへんの描写は,なかなか印象に残ります。人工太陽の落下のシーンなんかいいですねえ。
さて,母なる胎内から追い出されるがごとく,ピリは,自らの存在を知り,冥王星の存亡をかけての「太陽系経済戦争」の第一線へと復帰することとなります。
居心地のよいところを後にして,世間の荒波をかぶりに出て行く少年。
若者の通過儀礼を軸にした,ほろ苦い青春小説というような感じもありますねえ。SF風味を味付けしたような。
そこらへんの融合のうまさが,この作品の魅力であると思います。
